みなるのブログ

ビビりアラフィフの物思う日々

低く飛ぶ飛行機で思い出した

f:id:Minaru:20230909105856j:imageわたしは、小学生の低学年まで、

低空を飛ぶ飛行機に怯えていた。

「空襲」があるのかもと思ったのだ。

 

飛行機は、

「旅客機」じゃなくて

「戦闘機」のイメージしかなかった。

 

だって、誰も戦争が終わっているって、

教えてくれなかったから。

 

子供ながらに楽しい時間を過ごしていても、

「誰かがいつか攻めてくるのだろうか?」と、

ふと、不安がよぎっていたのを、思いだす。

 

戦争を忘れさせない教育だったのだろうか。

 

学校には「裸足のゲン」とかがあったり

しばらく通った学童保育所にも、

戦時中の話の本がいくつかあった。

アンネの日記」とか、

ピカドン」とかいう原爆の絵本もあった。

若草物語」とかにも、戦争の話が出てくる。

確か国語の教科書にもあった。

そんなに身近に戦争があるものなのだと思った。

テレビの連ドラとかでも、戦争が出てきて。

空襲だとか、防空壕だとか、

配給だとか、疎開だとか、

幼い自分も当たり前のように覚えてしまった。

 

インパクトが強かったせいか、

そればかり思い出すのだ。

他にもたくさん読んだり覚えたはずなのに。

 

祖父母や母の親の話でも、

つい少し前のことのようで。

何度も聞くうちに、自分の体験のような気がして。

 

おしえてくれなかったら、

まだこの「戦争」という物語が

続いているのかと思うよ。

…みんなは、思わなかった?

HSPのわたしだけかな?

 

わたしは漫画好きだけど、

裸足のゲンはちゃんと読んだことがない。

他の子が読んでるページをチラ見しただけで、

その夜怖くて眠れなくなったから。

誰かの悲惨な死が、

これでもかというほど、克明に描写されていた。

多分、今も読めないと思っている。

「痛かったよね」「悲しかったよね」

「怖かったよね」「生きてすることあったよね」

「どんな気持ちだったかな」と。

考えたら苦しいのに、考えずにいられなかった。

 

「残酷」という意味を理解したのは、

多分その頃だろう。

 

蛍の墓」とかも、

この世のものとは思えない悲惨な話だったし。

大人になっても、

自分のキャパシティを越える

「残酷」「悲惨」があると思う。

今でも、その忘れたい残酷な部分を

自分も忘れられずにいる。

学校とかには教育の意味で置かれてただろうけど。

最近の悲惨な事件とかでも、

今はこの世にいない当事者の気持ちを思って、

いたたまれなくなる。

聞いた自分が、長く傷ついてしまうような

そんな事件や報道が多い。

 

ドラマやマンガでもそうだ。

なんだろう、

みんな単純な事件や犯罪に飽きてしまったの?

なんでそんな過激な展開に?と思うものや、

人間不信になりそうなザワザワするストーリー。

スマホで情報やマンガを見ていても、

突然飛び込んでくる広告で、ギクッとする。

インパクトが強いシーンを流してるのだろうけど。

これって制限できないのかな。

(無料の記事ばかり読んでるからだろうけど)

マンガで親しみやすい顔してるけど、

明らかに内容は犯罪だよね?

こんなのたくさん見てたら、

みんなおかしくならないか。

自分にもできそうな気がする人が出てこないか。

もう、出てきてるんじゃ無いのか?

模倣犯はいないのか?

これを娯楽で楽しめる人がいることに、

ちょっと自分には理解ができない。

 

小学校低学年のある時、

母と歩いていて、飛行機が来たので、

「あの飛行機は、爆弾落とすの?」と聞いたら

「もう戦争は終わっているから落としてこないよ」

と聞いて、「そうなんだ!」と

すごく安心したのを覚えている。

もう、日本は攻められないんだと。

 

昨日台風が来て、

日本のあちこちに警報が出た。

早めに帰宅したわたしは、母と話していた。

「命を守る行動ったって、最後は自己責任だよね」

「言われないよりはいいけど、

頑丈な建物なんて、この辺に無いし」

北朝鮮のミサイルもそうじゃん?

どうしたらいいのって」

 

「昔は防空壕ってあったんでしょ?」

「あったけど、あれは穴を掘っただけだよ」

「今だったらシェルターとか用意するようなの?

まあ、核ミサイルだとどうしようもないけど」

 

去年、ロシアのウクライナ侵攻があったとき、

ウクライナに大きなシェルターがあるのを知って、

この大きさは国家的事業なんだろうなと思った。

ショッピングモールや地下鉄などの、

文化的な生活と、自衛を両立させているんだなと。

 

日本で大きい建築物を作るという話が出ても、

それがシェルターを兼ねるとか備える話は、

記憶に無い。

 

日本には、

今のところ、逃げ場所はなさそうだ。

 

今朝も

飛行機が低く飛んで、

遠い昔の

「あの飛行機は、爆弾落とすの?」と言った、

あの感覚を、うっすら思い出した。

 

最近は北朝鮮のミサイルの警報も頻繁に入る。

「もう戦争は終わっているから落としてこないよ」

なんだか、もう、

そう言えない時代になってきてしまったのかな。