みなるのブログ

ビビりアラフィフの物思う日々

キャリアについて思うこと

 わたしはもともと看護師になりたくなかった。

 

 学生時代に、母に「漫画家になりたい」と言ったら、

 「それではなかなか暮らせないから、仕事を、何か持った上で趣味でやったら」と、至極まっとうなことを言われたのだ。

 

 それで、漫画家を諦めたのだが。

 かと言って看護師になりたかったわけではない。

 母が看護師だったことや、高校の先輩が看護学科に行ったこと、自分の得意科目と受験のしやすさ。

 「看護師なら食いっぱぐれないだろう」という、

 安直な考え。

 言うなれば。

 夢が破れて。

 「テキトーに決めた」のだと思う。

 そして、「仕事」の意味もわかっていなかった。

 資格さえとれば働けると思っていたし、

 向き不向きがあるとか、実感がなかった。

 

 それに、あるあるかもしれないけれど。

 受験生の時は、

 「進路を決める」は「学校を決める、受かる」で、

 「学校に受かる」がゴールだった。

 その後、その学校で何を学んで、何の仕事をするかなんて、二の次、三の次だったのだ。

 その後の方が、全然大事だったのに。

 

 当時、社会にどんな仕事があるのかも、知らなかった。

 今のように、簡単に検索することも出来なかったけど。

 「働く」こともわからなかった。

 大人になってわかった。

 世の中は、何一つ、お金なしでは動かないのだ。

 子供の頃感じていた、優しさだけでまわる世界なんてなくて。

 世の中、金なんだ。

 お巡りさんも、お給料もらっている。

 図書館も税金だ。

 好きなアニメは、邪魔だと思っていたコマーシャルがあって、ただで見られていた。

 自分の食事や住む家や、制服や、

 実は親が働いたお金でできていたのだ。

 親がそれなりに働いてくれていたので、

 暮らせていたのだ。

 

 そして、自分も働いて、稼がなければ

 この世の中を生きていけない。

 学費を払って、「お客様」で行く学校と、

 「働かせてもらって、お給料をもらう」仕事の、

 立場の違いが、そもそも違うことに。

 仕事は、「もう、来なくていい」と言われる可能性があることに。

 

 少し、バイトしてみればよかったろうか。

 わたしは、社会で働いた時、ポンコツすぎて、愕然とした。

 仕事がわかって、慣れてくると、ようやく他の人に見えなかったり感じられないものがわかったり、個性が出せる面もあったけど。

 評価されるほどでもなかった。

 これぞ、HSPなんだなというかんじだった。

 数やスピード、責任を求められると、なおさら出来ないし、頭が真っ白になった。

 看護の仕事は、やる事も多いし、責任も重い。

状況も仕事も変わる。

 使えなかったなぁと、とても思う。

 

 じっくり、何かを作る仕事ならよかったろうか。

 

 自分に向く仕事に、出会えることは、

 とても、幸せな事だと思う。

 社会で働く多くの人は、「向いてない」仕事で頑張っている。

 向いた仕事で、何十年もキャリアをつんで、退職金をもらえるのがいいだろうけど。

 わたしは、看護師という「いい仕事」についたかもしれないけど。

 キャリア途中で、ドロップアウトして、

 その後看護師のキャリアを活かせない(活かしたくない)なら、この派遣の事務の世界では、初心者と同じ扱いになるのだ。

 アラフィフにして、ほとんど事務のキャリアがない。

 いい大人が、何の武器もないのだ。

 条件よく、安定して働くのは、

 狭き門だ。

 

 なら、進路を選ぶ時に、パソコンを勉強したり、デザインの勉強をすればよかったと、今は思う。

 

 仕事は今どき、ハードモードだ。

 学校で、良い成績をおさめて、条件の良い会社に入って、安定して働いて。

 家族を持っても安心して働いて、マイカー、マイホームを持てる人は、どれほどなのだろうか。

 

 よくあるのは、仕事が合わないとか、

 責任や仕事が多くて、残業ばかりとか、

 人間関係が酷いとか、

 病んでしまうとか。

 

 環境は悪くなくても、いつまで経っても貯金できないとか。

 そうして仕事をやめても、

 なかなか安定したいい再就職先がないとか。

 転職は、あまりうまくいかないイメージだ。

 

 そして、なかなか結婚資金もたまらないとか。

 〜少子化もするって…。

 

 真面目な労働意欲のある人さえ、

 まっとうな仕事ができない世の中。

 

 そんなことを思うと、

 学生の頃の成績の良し悪しなんて、

 幸せに働けるかどうかとは、なんの関係もない。

 

 自分に向いた仕事を、

 長く勤められる方が、最終的に、得意分野で大成できるのではないか。

 

 大卒の就職浪人なんて、たくさんいる。

 成績がよいから、いい仕事につける?

 給料のいい大企業だったとしても、向いてなかったら、嫌いな仕事なら、長くは頑張れないだろう。

 長く頑張ったとしても、幸せなのか?

 心がずっと苦しいままだったら?

 

 向いた仕事について、長く楽しく頑張れることが、 

 一番なんじゃないか。

 

 看護師やめて、事務の派遣の仕事をし始めて、

思ったことだ。

 

 自分に向いた仕事を見つけるって、

 実はすごく大事だと、最近は思う。

 

 そして、わたしはまだ、それがわからない。

 

 もうすぐ世に言う「定年」なる年齢が、見えてきそうなのに、だ。