みなるのブログ

ビビりアラフィフの物思う日々

タイピング練習の例文で思ったこと。

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 先日タイピングの練習をしていたら、

 練習用の長文に、

 「マッチ売りの少女」が出てきた。

 

 自分も子供の頃、

 絵本で読んだ記憶があるけど。

 今思うと、随分悲惨な話じゃないか?

 なんだか気になって、

 調べてみた。

 

 調べてみると、

 想像以上に、ひどい話だった。

 

 現実に、いいことがひとつもない。

 

 アンデルセンが作った話のようだけど。

 マッチが売れないと、

 父親にぶたれるとか。

 初めから、虐待と、

 冬季に夜間1人での児童労働の話。

 マッチを擦る度に見た、幻の数々は、

 寒さと空腹で見た幻覚だったのか。

 

 最後に現れた亡くなった祖母の幻に、

 消えて欲しくなくて、

 残ったマッチを全部擦った。

 

 結果として、

 少女は凍死してしまう。

 年末の街中で…。

 

 こんなに悲しい童話だったんだな。

 知らなかった。

 なんて、救いようの無い話…。

 (アメリカ版は、最後にお金持ちにひきとられるしいけど…)

 

 自分が絵本で見た記憶は、

 幻が、暖かそうに、美味しそうに、

 おばあさんが優しそうに描かれていて、

 最後に見た絵は、

 翌朝町の人達に見つかった

 亡くなった少女の絵だったと思う。

 眠ったように亡くなった顔が笑っていたので、

 そんなに辛い話のイメージが残らなかったのだ。

 

 こんな辛いお話が、

 絵本なんだなぁ。

 子供に見せる本なんだなぁ。

 

 なんとも言えない気づきだった。

 

 でも、

 これが物語ではなくて、

 その昔、現実にありえたのだろう。

 

 アンデルセンは、

 不遇だった母親の少女時代を

 モデルにしたらしい。

 

 はるか昔に、

 すでに知っている物語が、

 今だと、また違う意味が見えるかもしれない。

 作った人の気持ちまで、

 わかるかもしれない。

 

 そして、

 またタイピングで

 「貧すれば鈍する」ということわざが出てきて。

 なんとなくしかわからなかったから、

 気になって調べてみたら。

 「貧乏すると、精神の働きまで愚鈍になる。」

 ということだそうだ。

 頭がいい人、ものがわかった人でも、

 あまりにも貧困になると、

 理屈がとおらない、

 愚かなことをするようになると。

 

 怖いな。

 

 食べられなくなるって、

 そういうことだよな。

 

 理性に本能が勝ってしまう。

 

 

 食べられるうちは、何とか我慢できるけど。

 食べられなくなると、命に関わる。

 自分が、大事な人が、生きるためには、

 誰かを犠牲にしても、やむ終えないと。

 喰うか喰われるか。

 世の中のモラルが低下していくんだ。

 

 人間が、動物になっていく。

 

 なんだか。

 今、どんどん物価が上がり、

 自分も含めて

 生活に困る人達が増えている。

 

 だんだん、

 「悪意の無い人」達が、

 乱暴じゃない、普通だった人達が、

 「生活のために」「生きていくために」

 犯罪を犯すようになるんじゃないだろうか。

 安全と言われた日本の、

 モラルが下がっていく。

 安全じゃなくなっていくのではないのか。

 

 「マッチ売りの少女」のような、

 救いようの無い時代が。

 何も悪くない、少女1人救えない世の中が。

 過去ではなくて、

 将来の日本にも起こりうる気がしてきた。

 

 わたしも経験したことのない、

 恐ろしい世の中が、

 来るんじゃないだろうか。