みなるのブログ

ビビりアラフィフの物思う日々

冤罪

ずっと閉まらないと思っていた、

古いタンスの扉が閉まった。

 

いや、実はわたしが詰め込み過ぎて、

閉まらなかったという、事実がわかった。

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わたしの部屋にある、古い洋ダンス。

 

わたしの部屋は元々、父の部屋で、

そのまま置いてあるのだ。

母の花嫁道具の一つだったのか、

ものすごく重たい、古い、大きな洋ダンス。

正直、動かすことができない。

親も歳をとり、わたしも膝が悪い。

我が家のマンパワーでは、既に無理だ。

動かす時には業者にでも頼むしかないな。

何で2階になんて、入れたんだろうと。

その昔、45年前の引越しの日に、

親戚らの手を借りて、

ベランダからクレーンで入れたと聞いたような。

 

なんとか、わたしはそのまま、

洋ダンスとして、衣類を収納しているけど。

正直、かわいくは、無い。

わたしが気に入る要素は、無い。

扉の「パチン」と止めるところが、

壊れている。

どんなに閉めても、少しふわっと開いてしまう。

いつも

「ちゃんと閉まらないな」

と、プチストレス。

 

しかも、パソコンを開いた机の真後ろで、

オンラインミーティングに

カメラオンで参加すると、

写ってしまう。

閉まらない古いタンス。

 

もともと、お見せできない部屋だけど。

古いのみならず、ちゃんと閉まらないタンスは、

さすがに、いたたまれなくて。

オンラインミーティングアプリを使うときは、

パソコンをやや斜めに配置して、

カメラをタンスからそらして、

カーテンを写すようにしている。

 

しかし、先日。

いろいろ片付ける気になって、

着なくなったり、着にくくなった服を、

処分にまわしたら、

いつもパンパンのタンスが、

少しゆとりが出た。

 

そうしたら、

なんと、タンスが、

…閉まったのだ。

 

何ということだ。

冤罪だったのだ。

 

ごめんよぅ。

そうだったのか。

壊れて閉まらないというより、

詰めすぎて閉まらなかったのか。

 

タンスが悪かったんじゃ無い。

わたしが悪かったのだ。

 

この部屋がわたしの部屋になって何十年、

ずっと「閉まらないタンス」と、

濡れ衣を着せていたのだ。

 

古いタンスだけど。

閉まってれば、まあまあ、タンスだ。(?)

かっこよくないけど、

これまでみたいに「酷く」はない。

 

タンスが閉まってると、

自分の部屋が、ちょっとスッキリする。

襖も畳も古くて取り替えたいし、

「あ〜!もう!」と、

思うところはたくさんある部屋だけど。

今回タンスが閉まって、

少し、自分の部屋が好きになれた。

 

微妙に体をねじってミーティングに参加するのが、

苦痛だったけど。

今度から、正面向いて参加しよう。

 

片付けて、よかったと思った。

ずうっと、「閉まらないタンス」と思って、

一緒に過ごすところだった。

下手したらこのまま、

一生住んでしまいそうな家だし。

このタンスが閉まることを知ることもなく、

死んでしまうかもしれなかった。

実は君、「閉まるタンス」だったんだ。

 

大したことじゃない。

大したことじゃないんだけど。

 

ちょっと、自分の中では、

軽く事件だった。